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- 超高濃度ビタミンC点滴治療
高濃度ビタミンCは、日本でもがんの治療、予防に多くの先生方がご使用されるようになりました。また、美容目的でも使用されております。米国・カナダではがん治療の臨床研究に採用されています。
超高濃度ビタミンC点滴がガンを副作用なく治療する
2005年9月にビタミンC療法の画期的な研究論文が発表。『米国アカデミー紀要』権威ある科学雑誌に論文が掲載された。
その内容は、『ビタミンCは正常な細胞に影響を与えず、ガン細胞だけを殺し、副作用のない理想的な抗がん剤である』との驚くべき内容であった。
この論文を発表したのは、米国国立衛生研究所(NIH)、米国国立ガン研究所(NCI)、米国食品医薬品局(FDA)、アイオワ大学フリーラジカル・放射線研究部門に所属する8名のドクターや科学者であった。
ライナース・ポーリング博士
- 1945年 ノーベル化学賞 受賞
- 1962年 ノーベル平和賞 受賞
- 『超高濃度ビタミンC点滴治療の生みの親』
正常細胞に害を与えずガン細胞だけを殺す
論文の根拠となった実験は、人間にビタミンCを静脈から点滴したときと同じ状態を、試験管内で再現して行われました。
普通、人間のビタミンCの血中濃度は0.1ミリモル程度です(ミリモルとは、ビタミンCの血中濃度を示す単位)。高濃度のビタミンCを点滴すると、0.3??20ミリモルまで上昇します。
この時重要なのは、ビタミンCを点滴で血液中に送り込むということです。ビタミンCを口からどんなに多く摂取しても、血液中のビタミンCの濃度は0.22ミリモルを超えることはありません。
第1の実験では、ビタミンCが正常細胞に害を与えず、ガン細胞だけを殺すかどうかについて懸賞されました。具体的には、9種類のガン細胞と4種類の正常細胞をビタミンCの入った試験管内に1時間さらし、24時間後にどうなるかを観察しました。
その結果、5ミリモル以下のビタミンC濃度で、9種類のガン細胞のうち、5種類が50%死滅し、正常細胞には全く影響がなかったのです。影響のなかった4種類のガン細胞のうち、3種類のガン細胞はその増殖が99%抑えられました。
第2の実験では、ビタミンCのガンの細胞死に与える影響が、よりくわしく検証されました。人間のリンパ腫細胞(ガン細胞)を、0.1??5ミリモルの間の8段階のビタミンC濃度の中にそれぞれ1時間さらしたところ、濃度が2ミリモル以上になると100%死滅する事が確認されました。
つまり、ビタミンCの濃度が高くなればなるほど、ガン細胞の死滅率も上昇する事がわかったのです。
血中濃度が高まるほどガンが死滅しやすくなる
ビタミンCの血中濃度が高まるほど、ガン細胞の死滅率が高くなり、しかも正常細胞には影響を与えないことがいくつかの試験で確認されている(左のグラフはその一例)。
超高濃度ビタミンC点滴療法が登場
では、ビタミンCによってガン細胞が死ぬのは、なぜでしょうか。
高濃度のビタミンCが点滴で液中に入ると、ビタミンCが血管の外の細胞にしみ出します。すると、ガン細胞は、ビタミンCを栄養と勘違いして細胞内に取り込もうとするのですが、この過程で、ビタミンCが酸化されて活性酸素(攻撃力の強い酸素)の1種である過酸化水素を発生させます。この過酸化水素がガン細胞を殺すのです。
なお、正常細胞の周囲では、ビタミンCが過酸化水素を発生させても、細胞内のカタラーゼと呼ばれる特殊な酵素(体内の化学反応を促す物質)によって除去されます。
こうしたしくみから、ビタミンCは正常細胞には害を与えることなく過酸化水素を発生させ、ガン細胞を殺すことができるのです。
ビタミンCがガンを殺すしくみ
血管の外にしみ出たビタミンCがガン細胞に取り込まれる過程で、過酸化水素が発生し、ガン細胞を殺す。正常細胞の周囲では、カタラーゼと呼ばれる特殊な酵素によって過酸化水素は除去される。
なぜビタミンCはガンに特効なのか
ビタミンCが細胞の表面や内部に作り出す過酸化水素やフリー・ラジカルといわれる有害な物質によるものとされています。
ビタミンCは酸素が存在すれば、細胞の内外で酸化型アスコルビン酸と過酸化水素になります。そして後者はガン細胞にダメージを与えます。
ビタミンCを大量に与えれば当然体内のビタミンCのレベルは高くなりますが、正常な細胞は自分に必要な量だけビタミンCを取り入れるだけです。これは細胞自身にそのようなコントロール能力があるからです。 一方、ガン細胞は正常細胞が持つこうしたコントロール能力を失っているため、自分の周囲にある大量のビタミンCをいくらでも細胞に取り入れてしまいます。そしてその結果として、自分に害になる過酸化水素を余計につくり出して自ら死滅するのです。
このほかにもビタミンCが体内で銅と化学反応してつくり出すフリー・ラジカルが、ガン細胞をうまく殺すといった効果もあります。
次のような方に超高濃度ビタミンC点滴治療をお勧めします
- 1.現在、活性NK細胞治療を受けられている方。活性NK細胞治療と超高濃度ビタミンC点滴治療を併用することにより高い有効性が期待できます。
- 2.現在、有効な治療法がない方。
- 3.抗がん剤、放射線治療で効果が出ない方。
- 4.現在受けている治療法(抗ガン剤治療、放射線治療など)の副作用が強く、続けられない方。
- 5.現在、抗ガン剤治療を受けられている方。超高濃度ビタミンC点滴治療と抗ガン剤治療は併用可能です。
超高濃度ビタミンC点滴治療をお勧めできない方
- 1.腹水のある方。
- 2.腎臓機能の低い方。
- 3.脱水症状の方。
- 4.病状が極端に悪化している方。
- 5.現在、透析治療中の方。
Q&A
- Q.
- 超高濃度ビタミンC点滴治療はどのようなガンに有効なのですか?
- A.
- これまでに乳ガン、前立腺ガン、肺ガン、悪性リンパ腫、肝臓ガン、大腸ガン、膵臓ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、腎臓ガン、子宮ガン、多発性骨髄腫などで有効であるとの報告はありますが、まだ確立はされていません。効果に個人差もあります。
治療を希望する方は、まずドクターに状態などを話し、相談されるとよいでしょう。 - Q.
- 過去の症例で、成功例、失敗例、どちらともいえないケースの比率は出ているでしょうか?
- A.
- 米国・人間機能改善センターでは、明らかに効果があるのは60??70%だと報告されています。
これはガンの種類も、超高濃度ビタミンC点滴療法を開始したときのガンのステージも、それぞれに異なる患者さん全てを対象にした割合です。 - Q.
- 超高濃度ビタミンC点滴療法はガンのほかに、今後どんな病気に適用される可能性がありますか?
- A.
- C型肝炎に対しては、ウイルスの増殖を抑える効果が臨床的に確認されています。
また、他のウイルスに対しても効果が期待され、米国ではインフルエンザやエイズウイルスに対して、明らかに改善効果が見られるという事例はかなりあるそうです。 - Q.
- 超高濃度ビタミンC点滴療法は小児ガンには適用できるのでしょうか?
- A.
- ガンの種類や病状によると思いますので、ドクターとご相談下さい。確実に効果が出るとはいえませんが、チャレンジする価値あると思います。
- Q.
- 超高濃度ビタミンC点滴療法は活性NK細胞療法や他のガン治療と併用は可能ですか?
- A.
- 超高濃度ビタミンC点滴療法は、活性NK細胞療法との併用が可能です。また、抗ガン剤治療などの他のガン治療との併用も可能です。
超高濃度ビタミンC点滴治療に関する医学文献情報(エビデンス)
下記リンク先より、超高濃度ビタミンC点滴療法に関する医学的文献情報を入手できます(文献は全て米国のものであり、英文となります)。
- 1.2005年に米国の国立衛生研究所(NIH)、米国国立ガンセンター(NCI)、米国食品薬品局 (FDA)の科学者達が超高濃度ビタミンC点滴療法がガンに有用であるという基礎研究論文を米国科学アカデミー紀要に発表し、米国中にインパクトを与えました。
- 2.2006年に米国の国立衛生研究所(NIH)、米国国立ガンセンター(NCI)や大学の研究者らが超高濃度ビタミンC点滴療法が明らかに有効であった3症例(腎臓癌、膀胱癌、悪性リンパ腫)を、NIHの症例報告の基準で論文にまとめました。
- 3.卵巣癌(Stage ??c)に抗ガン剤と超高濃度ビタミンC点滴療法の併用が有効であった2例に ついて、2003年にカンザス大学メディカルセンター(米国)より米国栄養学会雑誌に発表されました。2例とも抗ガン剤投与後は超高濃度ビタミンC点滴療法だけで長期経過は良好と報告されています。
- 4.現在、カンザス大学(米国)では米国国立衛生研究所(NIH)の認可(NCT00284427)を得て、卵巣ガン・子宮体ガン・子宮頚ガンに対する超高濃度ビタミンC点滴療法の臨床試験を進めています。